十二支のお話①
スーパーの軒先で、ツバメの雛の元気な声が聞こえる季節になりました。梅雨☔があければ、いよいよ夏🌞がやってきます。
ついこの間お正月だったのに、あっという間に季節が移り変わっていきますね。
お正月といえば、みなさん今年の干支が何だったか覚えていますか?
今回は、十二支の由来にまつわるお話をご紹介します。
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ある山のてっぺんに、楽しいことが大好きな神様が住んでいました。
もうすぐお正月。
「何か、うーんと楽しい事はないかの~」神様がふと山のふもとを見下ろすと、たくさんの動物たちが見えました。
「そうじゃ!動物たちと一緒にお正月を祝おう!」
神様は、すばらしいアイディアを思いついて上機嫌。さっそく山のふもとに看板を立てました。
“動物のみなさん 元日の朝、山のてっぺんに来てください。12番目までにやって来た動物を、交代で1年の王様にします。
早いもの勝ちだよ! 神様より”
それを見た動物たちは大騒ぎ。
昼寝をしていた猫も、目を覚ましました。「みんな、何を騒いでいるのかな?」
でも、起きて見に行くのは面倒くさい……。そこで、やって来たねずみに聞きました。「みんな、何を騒いでいるの?」
ところが、ねずみは何を思ったのでしょう。
「元日の“次の日の朝”山のてっぺんに行けば、早いもの勝ちで動物の王様になれるんだって」と言いました。
ねずみのウソに、猫はすっかりだまされてしまいました。
大晦日がやってきました。
山のてっぺんが夕日に赤く染まるころ「ボクは足が遅いからなあ。そろそろ出かけるとするかなあ……」
まじめな牛は、よっこらしょ、と腰を上げました。
それを目ざとく見つけたねずみは、ぴょんと牛の背中に飛び乗りました。山のてっぺんまで、牛の背中の上でぐうぐう眠って行くこ
とにしたのです。
夜明けが近くなると、他の動物たちも出かける準備を始めます。
「私のジャンプには、誰も追いつけないわよ!」うさぎはそう言って、ぴょんぴょん軽快に走っていきます。
そこへ後ろから、モーレツな勢いで虎が走ってきました。びっくりしたうさぎは、あわてて草むらに隠れました。
「動物の王様か。面白そうだな。ひとつ、参加してみるか」龍はゆうゆうと空を飛び、へびも静かに地面をはっていきました。
馬と羊は、仲良く励ましあいながら山を登っていきます。
その頃、ようやくニワトリが目覚めました。いつも早起きだから大丈夫、と油断して、すっかり寝過ごしてしまったのです。
「大変、いそがなきゃ!」
犬とサルは、途中まで仲良く走っていましたが、そのうち負けん気に火がついて、途中でケンカを始めました。
「何やってんの!ケンカしてる場合じゃないでしょ!」ニワトリは、後もどりして仲裁に入ります。
そこへイノシシが猛ダッシュでやってきて、あっという間に3匹を追い抜いていきました。
「おぉ~、来た来た」
山のてっぺんにいる神様は、動物たちの騒ぎをにこにこ顔で見ています。
さて、最初に神様の前に現れたのは……
➔次回「十二支のお話②」へ続く…